「参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明」
この社会のあらゆる運動、課題のわくをこえて、
およそ‟団体”と名の付くところは賛同しませんか?
募集は、7月17日までということです。
作家・向田邦子さん51歳の時の講演が新潮社からCDになって出版されていて、その肉声を聴くことができます。「言葉が怖い」と題されたその講演から聴こえてくるのは、1981年の冬、亡くなられる半年前の向田邦子さんの声。
いくつもの言葉にまつわる忘れがたい思い出を語る中で、最近聴いて感銘をうけたという落語の話を引くのですが、それが古今亭志ん朝の「火焔太鼓」。
噺のあらすじはというと、
骨董屋の若旦那・甚兵衛さんは商売が下手で、おかみさんからいつも小言を言われている。「あたしゃここんところまともに物を食べてないんだから。おへそが背中に出ちゃうよ」なんてことを言われてる。
その甚兵衛さん、ある日思いがけない掘り出し物(火焔太鼓)を見つける。
店で叩いていると、たまたまその音を聞きつけた殿様に気に入られて、屋敷へ出かけた甚兵衛さん。300両で買い上げてもらえることに。
さて、おかみさんに知らせるため急いで帰る道すがら、甚兵衛さんがつぶやくことには…
「カカァの奴は、一分で売っちまえってやんだ...よかった売らないで。
ええ、腹が減って腹が減ってしょうがねえってやがる。
これからうちい帰って、いろいろなもの食わして、
動けなくしといてそれから小言言ったりくすぐったりするんだあん畜生!」
向田さんはこの最後の一句にある、‟くすぐってやるんだから”がすごい、と言います。
「わたしね、このくすぐっちゃおうという一言をね、付け加えるか付け加えないかで、
なんて言うんでしょうねえこう、あたたかみというかおかしみというか、
情って言うのか。こう人間の愚かさっていうんでしょうかねえ。
もうその、くすぐってやるぞっていうところでお客もドッと笑うんですね。
で、なんか目頭が熱くなるんですね。
ただ腹いっぱい食わしてざまーみろっていうのだと、ちょっとやっぱり、
意地が悪いというか、丸みがないですねえ。
でも実際問題お腹いっぱい口元まで詰め込まれてくすぐられたら
たまったもんじゃないですけども。
この一言は誰が考えたんだろうかと思いましたね。
だれかきっと人情の機微というものの非常に分かった方が付け加えたのか、
それとも志ん朝さんが付け加えたのか。
その言葉というのはわたしにはとても書けないセリフだと思って頭が下がりました」
こうして文字に起こしてみると、話の意味だけに限られてしまうのがいかにも惜しいのでどうぞ向田さんの声で聴いてみてください。感嘆のこもった丁寧な語り口と凛とした声が美しく、時折向田さんに会い直すように聴き返しています。
志ん朝の「火焔太鼓」にはいくつかの音源が残っているようで、実際に聞いてみると”くすぐってやるんだから”は流れるようなセリフの中にあって、聴き落してしまうほどです。その聴き落としそうなひと言に耳をとめた向田さんの言葉への感覚の鋭さに驚かされます。
ちなみに、「火焔太鼓」を演っている古今亭志ん生や桂歌丸の音源も聴いてみたのですが、”くすぐったりする”というセリフはありませんでした。
言葉が怖いという向田さんはだからこそ言葉を大切にし、正確な言葉をさがし、用いることに心を砕いていたのでしょうか。正確な、というのは「正しい」ということよりも、むしろその場にもっともふさわしい言葉を選ぶということでしょう。
意地の悪い、丸みのないことばが無数に飛び交う今という時にあって、くすぐったりするんだから、という丸みのあるひと言に気づいて、そして付け加えることができたなら―。
言葉をつかう時に「言葉の怖さ」を意識できるようになりたいものです。
夏目漱石に、次のような一句がある。
ぼけさくやそうせきせつをまもるべく。
拙を守る、という字はめずらしい。‟節を守る”はいまも時折目にする。しかし漱石はここで拙という字をあてている。
明治30年(1897年)、熊本五校で英語教師をしている31歳頃の句だ。漱石は漢詩にも小説にも、「守拙」を用いる。
『草枕』にはこうある。
評して見ると木瓜は花のうちで、愚かにして悟ったものであろう。世間には拙を守るという人がある。この人が来世に生まれ変るときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい。
現在でも用いられることのある”節を守る”には「自己の信ずる考え、志、行動などを貫き通して変えないこと」といった意味がある。一方、漱石は「拙」という字を選ぶ。つたない、下手、おろか、役に立たないという語をあえて用いて、それを守るとする。こうした徳目を徳目とみる態度それ自体が明治の半ばには喪われつつあり、漱石はそれに抗うため拙を守るとみずから言挙げしたのであったろうか。木瓜の花をみかける度この句が浮かぶ。
さて、政治のことである。
拙を守るひとを推す。
世間のつきあいはもちろん、政治家はなおさらである。
便乗根性のものを推さない。「タイケツよりカイケツ」など猪口才をいうものを推さない。口先ばかりではらわたのない鯉のぼりを推さない。
政治理念がちがっていても、意見があることにおいて信頼できるもの、拙を守るものを推す。
6月22日、東京都議選。
小金井市では無所属の漢人あきこさんを推す。
節を守り、拙を守る。漢人あきこさんを推す。
漢人あきこ オフィシャルウェブサイト

初めて映画を撮りはじめたのは大学生の時。
東京八王子にある高尾山への道路開発の問題でした。
2年あまり前に住みはじめた小金井市で、残された貴重な自然をこわす道路計画があることを知りました。計画ができたのはなんと、1962年!
ゾンビのように生きのびた計画が、ふたたび頭をもたげはじめています。
計画当初から63年経った現在、当時言われた「道路の必要性」はまったく変わっているというのに、あらたな理由をこしらえては進めようとする政治の創造/想像力の欠如。
気候危機がいっそう深刻になる中、都市には多くの水を溜められる場所、日よけになる緑を増やさなければと政策変更している国がたくさんあります。政治家が観念と惰性ではなく、目の前の現実に向き合ってる国々です。
小金井市で、4月25日~27日にかけてこの地域の自然を大切に思う人たちとイベントを計画しています。僕も動画編集でかかわります。
高尾山の道路計画は押し切られてしまったけれど悔しさはいまも胸にあります。
都市の自然を守り、いっそう増やして、みんなで生き延びていきたい。
そんな思いのある人は、クラファンにぜひお力添えください。
新年あけましておめでとうございます。
年の瀬にインフルエンザにかかり、年末年始らしさもないままうさぎ年が終わりへび年がはじまっていました。どんな年になるのやらまるで先は見えませんが、一日一日を慈しみ暮らせたらと思います。
さて、映画『杳かなる』の予告篇ができました。
2/8(土)~の公開までいよいよ1か月をきりました。
いつも公開時期に思うのは、これは選挙だ、ということです。映画も選挙も候補者(制作者)みずからアピールしないとはじまらないのです。映画がどこかで独り歩きをはじめてくれるまで、手塩にかけて育てていきたいと思います。
たくさんの方に届けていけるよう、ぜひ多くの方に手をかけて育ててもらえたらと願っています。
以下、おもにふたつのお願いです。
(1)前売券のご購入・委託販売のご協力
(2)チラシの配布・ポスター掲示のご協力
応援くださる方は、info@harukanaru.com までご連絡いただけたら幸いです。
詳しくは公式サイトから。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
映画『杳かなる』はいよいよ来年2月8日~、新宿K's cinemaで公開がはじまり、以降全国で順次公開されます!
本作を一人でも多くの方に届けるため、現在、広報・宣伝活動を行っておりますが皆さまおひとりお一人の口コミが何より大きな力になります。
そこで、映画の周知にご協力してくださる方を全国に募集しております。
ポスター掲示や、イベントなどでのチラシ配布、友人知人への宣伝など、皆さまのお力をお貸しいただけませんでしょうか?
お願いしたいことは、具体的に以下の4点です。
(1)「全国共通特別鑑賞券」(前売券)のご購入
(2)「全国共通特別鑑賞券」(前売券)の委託販売のご協力
(3)チラシ配布・ポスター掲示のご協力
(4)その他
🌟(1)「全国共通特別鑑賞券」(前売券)のご購入
全国の劇場でご利用いただけるお得な前売券(1,400円)の販売を開始しました!1枚から送料無料でお送りします。ご友人同士や職員研修などでの映画鑑賞はいかがでしょうか?
※ ご入金の確認が出来次第発送させて頂きます
🎉<公開記念キャンペーン!>🎉
この度、公開を記念して前売券(1,400円)10枚以上ご購入の方には、10枚ごとに宍戸監督の過去作品の「DVD&パンフレットセット」をプレゼントします!『風は生きよという』(15年公開)『道草』(19年公開)のどちらかからお選び下さい!
※ 委託販売の場合は適用されません
※ キャンペーン期間は12月22日~2月7日までを予定
※ 送料無料です
🌟(2)「全国共通特別鑑賞券」(前売券)の委託販売のご協力
「何枚必要になるか分からない」、という方には前売券の「委託販売」をお勧めしております。詳細はお問合せください。
🌟(3)チラシ配布・ポスター掲示のご協力
チラシ・ポスターの必要枚数をお知らせ頂ければお送りさせて頂きます。イベントや講演会、研修会などでの配布や、友人知人などへの宣伝にご活用ください(チラシは送料無料です)。
🌟(4)その他
映画を広めるために「こんなことができるよ」などアイディアを大募集中です!ぜひ皆さまのお力をお貸しください🌌
お申込は、
①氏名 ②住所 ③TEL ④メールアドレス ⑤ご協力いただける内容 ⑥ご希望の送付物(全国共通特別鑑賞券・チラシ・ポスター) ⑦ご希望枚数 を記入の上、
info☆harukanaru.com(☆を@に変更)までご連絡ください。
ご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
ご連絡お待ちしています!

映画『杳かなる』に出演くださった岡部宏生さん、佐藤裕美さんが取材されています。岡部さん宅の祭壇に海老原さんと小田さんの写真も(もうお一方はお会いしたことがないかも、どなただろう)。
コメント欄がすでに1200もついていて、ざわざわする。「安楽死」からもっとも遠いところにいる健康人が出放題を吹いてる光景が頭に浮かぶ。
記事の中にある「自らも矢面に 日本一外出するALS患者」というところ。僕も仕事柄、何らかの”当事者性”を持った方を取材して映画にし、人に伝えるという事をしているのでジレンマなのですが、本来であれば当事者を矢面に立たせなくていい社会にしたいです。
ALSについていえば身体的にも精神的にも苦しい毎日があるはずで、その苦しさしんどさの渦中にいる人をさらに社会の矢面(言葉の矢が飛んでくる場所、コメント欄に悪口雑言が投げつけられるような地点)に立たせて言葉を言わせなければその苦しさもしんどさも想像できない人、社会ってなんなのだろう、と思う。
当事者を矢面に立たせなくていい社会にしたい。そのために自分が矢面に立つ、とも言わない。誰も矢が飛んでくる場所に立たなくていい社会にするのがただしいと思う。
記者の西村さんは15日にあった東京保険医協会の上映会にいらして、取材をして下さいました。いつかご紹介できる機会があればと思います。