農水省「放牧中止」を削除(省令改正案)

12日、農水省は「食料・農業・農村政策審議会 第44回家畜衛生部会」を開催、委員による議論を経て新たな飼養衛生管理基準案を示しました。
そこから「放牧(舎外飼養)中止」の項目が削除されていました。
概略は以下の通りです(農水省HPから)。


※ 牛等の飼養衛生管理基準について、大臣指定地域における舎外飼養の中止の規定の追加は必要ないことが確認された。
※ 豚、いのししの飼養衛生管理基準について、大臣指定地域においては、舎外飼養を継続する場合には、一定の猶予期間の間に給餌場所における防鳥ネットの設置、いざというときの避難可能な設備の確保を行う必要があることが確認された。

 

パブコメ概要には「放牧養豚関係者や一般消費者等から、『舎外飼養の中止』の追加について、下記の理由から反対する意見が多く寄せられた。」という一文が記されていました。
(参照:農水省HP


知人を通して教えられた今回の改正案。パブコメが「放牧中止」を撤回させるひとつの力になったという事実を喜びます。同時に、畜産動物が日頃どのような環境下で飼育されているかを、あらためて考え直させられる機会でした。

委員のひとりの発言には、「アニマルウェルフェアは飼育動物を病気にさせないことが前提であり、リスク管理が不十分な状況で議論をすることは難しい」ともあり、飼育動物の福祉の実践を進めていくには、何よりも私(たち)自身の関心を高め、声をあげていくことが必要なのだと感じました。
この改正案を報せてくれた知人をはじめとして、人の気持ちが届いていきづらいところへと目を向けて、心を傾けていく人たちの眼差しの深さ、丈のたかさを思います。